税務調査は悪いことをしている人だけに来るのか?

こんにちは。兵庫県明石市のひとり税理士、平太誠です。
税務調査と聞くと、脱税・逮捕など、悪いことをしている人にしか来ないというイメージを持っている人もいるかもしれません。
ただ実際には、税務署が、各事業者の申告内容が本当に正しいかどうかを「確認するため」に調査を行っていることがほとんどです。
定期点検に近いものだとも言えます。
税務調査の目的、調査対象の選ばれ方について、解説します。
税務調査の本来の目的
税務調査の目的は、大きく次の3つです。
1.申告内容が正確かを確認すること
2.税法に沿った処理がなされているかを点検すること
3.将来に向けた適正な申告・納税を促すこと
つまり、税務調査とは「事業者が適正な納税をしているか」を確認する、いわば定期点検のようなものだと言えます。
税務署は、疑ってかかっているというよりも、「申告内容の確認をしに来ている」のです。
中には最初から疑ってかかっているケースもありますが。
「調査される=何かやましいことがある」は間違い
調査対象になること自体に特別な意味があると思われがちですが、実際には以下のような理由で調査対象が選ばれることがあります。
・毎年ローテーション的に巡回している
・売上や利益の変動が大きい
・他の事業者との取引内容に関連して調査対象になる
・無申告や長年の未調査による定期チェック
・業種的に現金管理の比重が高い(例:飲食・理美容・建設など)
これらは「悪いやつに違いない」ということではなく、「確認すべき点がある」あるいは「管轄税務署の方針や施策」のために調査対象になるものです。
また、調査されると必ず追徴課税を課せられるというのも大きな誤解です。
税務調査を受けたすべての人が追徴課税やペナルティを受けるわけではありません。むしろ、
・「特に問題なし」と判断されるケース
・「軽微な修正で済む」ケース
もあり、正しく帳簿を付け、資料を残していれば、むしろ「きちんとしている事業者」として評価されることもあります。
税務署にも「この人はしっかりしている」という印象が残り、当面調査対象にならないということも。
まとめ
税務調査の本来の目的は、「罰する」ことではなく、「確認する」ことです。
悪いことしている人のところだけに税務調査が来るわけではありません。
また、必ずしも追徴課税やペナルティが課されるわけではありません。
ただ、最近はAIによって、よりピンポイントに調査対象者を選んでいて、調査によって追徴課税を課されるケースは増加傾向にあるようです。
事業者が普段からできる最大の防衛策は、普段から帳簿や資料を整えておくことです。
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