令和7年から基礎控除が変わる:アルバイト・パートの最適な働き方とは?

こんにちは。兵庫県明石市のひとり税理士、平太誠です。
2025年(令和7年)から、所得税の基礎控除と給与所得控除が大幅に見直され、いわゆる「年収の壁」が大きく変わることとなります。
これにより、パートやアルバイトなど働き方の最適化も再検討が必要です。改正事項について確認していきましょう。
基礎控除関連の改正について
おおきく分けて4点です。
①基礎控除の見直し
これまでの48万円から、所得金額に応じた段階的な控除額となりました。ほとんどの場合で、引き上げとなってます。
これにより、税負担がないまま、以前よりもたくさん働けるようになりました。

②給与所得控除の見直し
最低保証ラインがこれまでの55万から65万となりました。
基礎控除と併せて、給与収入160万までは所得税がかからないという計算になります。
こちらも①と同じく、税負担がないまま、以前よりもたくさん働けるように。

③特定親族特別控除の創設
「特定親族」とは、基本的にはアルバイトをする大学生を想定しています。
かねてから大学生がバイトしすぎたことにより親の扶養から外れてしまう問題が多くありました。
これまで給与収入103万までだったのが、150万円までは親側で扶養控除が受けられることに。さらに、188万円までは段階的に控除が受けられるます。
これにより、大学生が以前よりもたくさん働けるようになりました。

④扶養親族の所得要件の改正
基礎控除が変わることにより、扶養控除対象となる所得要件も変わります。

令和7年からの最適な働き方とは?
〇パート・アルバイトの場合(扶養内で働く)
今回の改正により、年収160万円までは所得税がかからないため、従来より多く働いても手取りが減りにくくなります。
ただし、社会保険(健康保険・厚生年金)の「106万円の壁」「130万円の壁」は別に存在し、これを超えると社会保険料の負担が発生します。
社会保険の加入状況などを踏まえて、トータルでの計算が必要になります。
社会保険に加入するメリットはありますが、手取りは大きく減るため、社会保険に加入しない(社会保険上の扶養から外れない)程度の年収(106万or130万)に抑えるという選択も。
社会保険の加入要件(106万円・130万円の壁)は税制改正と連動していません。税金と社会保険の両面から最適な働き方を検討することが重要です。
〇学生の場合(親の扶養に入る)
今回の改正により、年収150万円までは、親の扶養に入ったままとなり、親の税負担なく、働くことができます。
ただし、こちらも社会保険上の扶養について注意が必要です。扶養から外れないようにするには、130万円を超えないように注意しましょう。
まとめ
・2025年から基礎控除・給与所得控除が引き上げられ、「年収の壁」は160万円に。
・パートやアルバイトの場合、年収160万円までなら所得税がかからない。
・学生が親の扶養要件は年収150万円まで満額控除が受けられる。
ただし、社会保険の壁には引き続き注意が必要となります。
今後も社会保険料関連の改正が予定されているようですが、今回の所得税関連の改正と数値を合わせていただきたいものです。
とにかく、「〇〇万円の壁」がたくさんありすぎですから……。
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