帳簿を作成する目的とは

こんにちは。兵庫県明石市の税理士、平太誠です。
個人事業・法人問わず、事業を開始すると、正確な帳簿を作成することが義務となります。
今回は、帳簿を作成することによって得られる効果、そのメリットについてご説明します。

帳簿とは

そもそも「帳簿」とは、「事業に関するお金の動きを記録したもの」です。
記録されるものは、売上、商品や材料の仕入れ、使った経費、銀行口座の入出金、などです。
ビジネスのお金の流れを、すべて記録して、数字として「見える化」するのが帳簿です。

帳簿を作成する3つの目的

①業績を把握するため

帳簿をつけると、自分のビジネスの状況が数字で「見える化」されます。
今月は黒字か赤字か?どんな費用が多いのか?資金繰りは大丈夫か?
数字を使った分析ができると、経営の改善策が立てやすくなります。
帳簿を作ることで、感覚で経営するのではなく、数字に基づいた経営を行うことができます。

②申告、納税のため

日本の申告納税は自己申告制度です。
事業者は、毎年、申告の時期に「いくら儲かったかを自己申告」して、納税をします。
帳簿を作成しておかないと、いくら儲かったのか分からないので、申告書が作れないということになります。
また、帳簿は申告の際の大切な証拠書類です。
しっかり作成しておかないと、経費が認められなくなったりするリスクもあります。


③青色申告の特典を受けるため

法人、個人ともに、確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。
青色申告は、様々な特典を受けることができますので、節税効果が抜群です。
この様々な特典を受けるためには、正確な帳簿の作成が条件となっています。
裏を返せば、帳簿をきちんとつけてさえいれば、節税ができるということです。

帳簿はどうやって作るのか

主に以下の方法があります。

・手書き
・エクセルなどの表計算
・会計ソフト

まず手書きですが、現実的ではありません。時間もとられますし、できるだけ避けましょう。
月に数件程度の取引しかない特殊な場合には、手書きで対応できなくもありません。

次に、エクセルなどの表計算ソフトを使った帳簿作成です。
売上帳、経費帳などを作成します。経費はそれぞれ交通費、交際費、消耗品費など種類ごとにシート分けて、入力しておきましょう。テンプレートはネット上でダウンロードできるサイトがたくさんあります。なお、簡易簿記によって作成された帳簿となりますので、作成できるのは損益計算書のみです。貸借対照表は作成できません。

次に会計ソフトを利用する方法です。
会計ソフトを使えば複式簿記により帳簿を作成することができ、損益計算書と貸借対照表を作成することができます。これにより、青色申告の特典を最大限受けることができます。
コスト面について、会計ソフトは年額で1万円ほど(一番安いプラン)が一般的です。買い切りのインストール型のソフトも1万円ほど。
青色申告の特典を最大限受けられることを考慮すれば、決して高い出費ではないと思います。

おすすめは会計ソフトだが

オススメは会計ソフトですが、簿記の知識が無いまま、いきなり挑戦するのはハードルが高いように思います。「知識がなくても大丈夫!」と謳っているソフトもありますが、いざやってみると挫折する人はたくさんいらっしゃいます。
せっかく帳簿を作成しても、誤りが多く、正確な帳簿が作れないと意味がありません。

ご自身で記帳される場合、まずは、エクセルなどを使った簡易簿記から始めてみてはいかがでしょうか。徐々に経理に慣れてきたら、会計ソフトを導入して、複式簿記に挑戦してみるのがいいのではと思います。

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